スポンジ生地について ジェノワーズとビスキュイの使いわけ

お菓子の基礎知識




ショートケーキやロールケーキに欠かせないのがしっとりフワフワのスポンジ生地です。ロールケーキなんかはよく、生地を重視するかクリームを重視するかに分かれますね。

日本でスポンジのお菓子で馴染み深いものといったらカステラでしょうか、あれは究極のスポンジケーキですよね。

スポンジケーキを作ろうと思ったときネットやレシピ本にのっている作り方が二通りあってどちらの方が良いのか分からない、ということがありませんか?

作り方の違いでそれぞれ違う特徴が出てきます、今回はそのことについて紹介しようと思います。

スポンジについて

まずスポンジについて説明します。スポンジは15世紀頃にカスティーリャ王国で生まれたお菓子ではないかと言われています。

カスティーリャの女王イザベルと隣国のアラゴンの王子フェルナンド2世が結婚して両国の合併によりスペインが誕生します。

スペインで発展したスポンジは隣国ポルトガルにまで広がっていきやがて「カスティーリャ・ボーロ」と呼ばれるようになります。カスティーリャ王国のお菓子という意味です。

元々スポンジはビスケットの仲間だった

昔は一度焼いたパンを日持ちさせるために薄く切ってもう一度焼いて水分を飛ばして保存性をよくしていました。いわゆるラスクのようなものです。

これを「ビスコチョ」と呼んでいました。二度焼くという意味です。こちらがビスケットのルーツになります。

このように本来ビスケットはパンを二度焼きしたものだったのですがやがて、直接小麦粉や卵などの原料から作られるようになりました。

あるとき材料の卵を泡立てて焼いてみたらふんわりしたビスケットが焼けました。ここからスポンジが生まれてきます。

元々はビスケットの派生として生まれてきました。後にそれが独自の進化を遂げていきます。

当時は型に入れて厚く焼くという発想が無かったためスプーンで鉄板に流し入れてフィンガービスケットのように焼いていました。「ビスキュイ・ア・ラ・キュイエール」という生地の名前はそのときの名残です。

日本に伝わる

カスティーリャ・ボーロは(スポンジ)は南蛮船により鉄砲と共に1543年に日本に伝わります。このとき日本人の勘違いによりカスティーリャとボーロの2つの言葉に分かれてしまいます。

カスティーリャはカステラにボーロはボーロ(丸いクッキー)に独自に発展します。

スポンジの作り方は2種類ある

スポンジの作り方は卵を全卵で泡立てる共立て法と卵黄と卵白に分ける別立て法があります。共立て法はジェノワーズ、別立て法はビスキュイと言います。

作り方によって出来上がるスポンジの特徴も変わるので使い分けが重要になります。

ジェノワーズ

全卵を湯煎で温めて泡立てる作り方です。きめ細かい泡が作れるのでしっとりとした生地ができます。

主にショートケーキのスポンジに使われます。

この生地を作るときに大切なことは泡立てる速度を調節してきめ細かい泡を作ることと混ぜすぎて泡を潰してしまうのを防ぐこと、混ぜなさ過ぎて無駄に軽い食感の生地になってしまわないようにすることです。

後者は慣れないと見極めが難しいです。

ビスキュイ

卵黄と卵白を分けて卵白でメレンゲを立てて作ります。作り方だったら別立て法の方がよくいろんなレシピに使われます。

ジェノワーズよりはしっかりとした硬さの生地になります。

主にロールケーキの生地やシャルロットのように絞り袋に入れて絞って焼く生地、ムースケーキの生地やバターケーキに使われます。

メレンゲの泡立てが大切になります。しっかりしたメレンゲを泡立てないと生地がダレてしまいます。

まとめ

ジェノワーズ、ビスキュイどちらも家で作れます。どちらかといえばビスキュイの方が家だと作りやすいかなと思います。ジェノワーズは見極めが大切なので

どちらが良いというのはなくそれぞれの特徴を生かしたケーキに使います。

どちらも作れるようになるとお菓子作りの幅が広がるので是非挑戦してみてください。

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