お菓子作りでよく使われるお酒

お菓子の基礎知識




お菓子には結構お酒を使っているものが多くあります。元からのレシピで大量に使っているものや、隠し味として入れているものまで、特に洋菓子店よりもフランス菓子のお店はほとんどのお菓子にお酒が入っているのではないでしょうか。

最近ではアルコールが効いている大人のお菓子が人気が出てきています。お菓子で使われるお酒の代表はラム酒やブランデーですが、その他にも個性的なお酒がいっぱい使われたりします。もちろん奇抜なものを使っても美味しくなければ論外なのですが

今回はお菓子作りでよく使われるお酒を紹介します。

そもそもお酒を加える意味とは

元からのレシピでお酒を使っているものならわかりますが、お酒が必須というわけでは無いお菓子にお酒を使う理由とは何でしょう。

お酒を入れる理由として一番に挙げられるのが香りづけです。そのままでは平坦でつまらない味でもリキュールなどの香り豊かさで風味や香りに広がりを持たせることが出来ます。

焼き菓子に加えられるお酒の目的はほとんどがこの香りづけになります。

それからアルコール自体を楽しみたいために加える場合もあります。ゼリーやムース、ブランデーケーキなんかはこの場合も多いです。大量にお酒を加えるため他の材料との調和が難しかったりします。

他には保存性を高めたりする目的があります。これは昔の名残ですかね、今はあまり気にする必要は無いと思います。焼き菓子でも基本は作ったら早いうちに食べきってしまいたいので。

お酒の種類

ラム

お菓子作りでは一番多く使われるお酒だと思います。ラム酒はサトウキビの廃糖蜜や絞り汁を原料として作られる蒸留酒です。

種類は色で分けるとホワイトラム、ゴールドラム、ダークラムの3種類に分けられます。よく使われるのはダークラムですが、お菓子によってホワイトラムを使ったりゴールドラムを使ったりします。

よく使われるお菓子だとサヴァランやババ、フルーツのパウンドケーキの香りづけに使われますね。レーズンを漬けておいたり、乾燥させたバニラのさやを入れて香りづけをしたりするところもあります。

割と何と合わせてもそんなに違和感は無いのですがダークラムは入れると重たい感じになるので軽く仕上げたいお菓子には向いていないですね。例えばレモンケーキだったらダークラムではなくホワイトラムの方が調和性があるかなという感じです。

ブランデー

ラムと同じくらい使用頻度が高いのがこのブランデーです。果実酒からつくった蒸留酒の総称です。主に白ブドウのワインを蒸留して作られることが多いのですが、他にもリンゴから作ったアップルブランデー(フランスのノルマンディー地方で作られるアップルブランデーはカルヴァドスと呼ばれてそれ以外の地域で作られたものはアップルブランデーと呼ばれる)やサクランボから作ったチェリーブランデー(キルシュ)洋ナシから作られたものなど種類は豊富です。

ブランデーもラムと同様色々なものに合わせられます。シンプルなパウンドケーキにかけてブランデーケーキにしたりチョコレートムースと合わせたりします。

ブランデーでもカルヴァドスやキルシュは合わせづらいものなのでお菓子によってどれと合うのか試すのも楽しいですね。

コアントロー、オレンジキュラソー

キュラソーというのはリキュールに分類されます。中性スピリッツやブランデーにオレンジの果皮の香味成分と、糖分を加えたお酒です。

元はオランダ人が西インド諸島のキュラソー島産のオレンジを使って作ったものがオレンジキュラソーと呼ばれていました。いまではリキュールにオレンジ香料で香りづけしただけのものでもオレンジキュラソーと呼ばれています。

コアントローというのはフランスのコアントロー社が製造するホワイトキュラソーのことでお酒の種類というよりは商品名ですね。

同じくグラン・マルニエはフランスのマルニエ・ラポストル社が製造するオレンジキュラソーです。グラン・マルニエは自家製のコニャックをベースに使っているので中性スピリッツを使用しているコアントローに比べて色が琥珀色になります。

グラン・マルニエは独自のオレンジピールのブレンドでオレンジの苦みを感じられます。逆にコアントローには苦みが無く糖分が高いので甘味を感じます。

ワイン

ワインはブドウの果汁を発酵させたお酒です。焼き菓子にはあまり使われませんが、フルーツのコンポートやムース、ゼリーに良く使われます。

フルーツを使用したお酒

その他にもイチゴやフランボワーズ、洋ナシ、ココナッツ、アプリコットなど様々なフルーツを使用したお酒があるので用途によって使い分けます。

種子、豆、ハーブ系のお酒

シチリア島産のアプリコットの核から浸出したエキスに17種のハーブやスパイスをブレンドしたリキュール、アマレットや、コーヒー豆を使用したコーヒーリキュール、カカオ豆を焙煎してチョコレートの香味をだしたチョコレートリキュール、130種のハーブを使用したリキュールでシャルトリューズなどがあります。クセがあるものが多いのですが、使うことでお菓子に華やかさや広がりが出るのでなかなかに面白いお酒たちです。

まとめ

お菓子に使われるお菓子は紹介したらキリが無いのですが今回は有名どころをざっと説明しました。何か気になるものはありましたか?ラムやブランデーは万能なので割と何でもあいますが、たまには使ってみたことのないお酒を使ってみるのも新しい発見があるのでいいと思います。

フルーツ系のものだったら同じフルーツを使用したお菓子に使ってみたり、チョコレートのケーキにアマレットを入れるのもクセが出て個人的に好きな組み合わせです。

お酒を使ったお菓子は癖が強いと毛嫌いされることも多いのですが、ものによって本当に変わるので是非食べてみたり作ってみたりしてほしいです。

もちろん使いすぎにも注意です。何事にも適正はありますからね。

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