ケーキ屋さんで働いていたときにお客様からお菓子について色々と質問をいただくことがあったのですがその中でも一番多かったのがこの質問です。
マドレーヌとフィナンシェってどう違うの?
全然違いますよ!
確かにどちらも同じフランス生まれの焼き菓子です、半生菓子と言われてぱっと思い浮かべるのもこの二つですよね。
ですが味や材料、食感などかなり違いがあります。
どちらも人気の高い焼き菓子ですが、まだ知られていないことが多そうなのでマドレーヌとフィナンシェの違いを紹介したいです。
由来
まずはマドレーヌの由来から
マドレーヌの由来は諸説あるのですが有名なものですと
フランスのロレーヌ地方の領主レクチンスキーが晩餐会を開こうとしたところ、菓子職人が仲間と喧嘩をして出て行ってしまい急遽その場にいた料理上手の女中がお菓子を作りレクチンスキーがそのお菓子を気に入り女中の名前をとって、マドレーヌと名付けました。
マドレーヌって女の人の名前なんですってかわいい名前ですよね
でもこの話が実話なら菓子職人何やってんだって思いましたね
次にフィナンシェの由来です
フィナンシェとはフランス語でお金持ち、金融家という意味があります。
1890年刊のピエール・ラカン著「フランス菓子覚書」には、証券取引所近くのサン・ドゥニ通りに店を構えていた菓子職人ラヌさんが考案したものとの記述があります。
証券取引所の金融家たちが背広を汚さずに食べられるように工夫されたといいます。
金融家たちが金の延べ棒型の菓子をくう
形
マドレーヌは貝殻の形をしていますよね、これにも諸説あるのですが
スペインの巡礼地サンティアゴ・デ・コンポステーラを目指す巡礼者たちが、ホタテの貝殻を巡礼者の証明として首からぶら下げており、その形が関係しているのではないかと言われています。
フィナンシェは金の延べ棒の形ですね、食べやすい形ですし由来通りですかね
金の延べ棒型はインゴット型と言われています、最近ではオーバル型やパウンド型など色々な形で焼かれています。
材料
マドレーヌの基本的な材料は
薄力粉
グラニュー糖
全卵
溶かしバター
レモンの皮
対してフィナンシェは
薄力粉
グラニュー糖
卵白
焦がしバター
アーモンドプードル
まあ他にもベーキングパウダーやハチミツなんかを加えたりするレシピもありますが基本は上記のものです
結構違いますよね
焦がしバターは溶かしバターを焦げるまで加熱したものです凄くいい香りがします。
嗅いだことないという方にはぜひ一度は嗅いでみてほしいですね
味
材料がかなり違うのでそれだけ味も違いますよ
マドレーヌは全卵を使っているためフィナンシェよりも柔らかい食感です。
レモンの皮が入っているのでフィナンシェよりは軽い爽やかな風味です。
ただあまり美味しくないものだと柔らかくなりすぎたりぱさぱさだったり卵臭い味になったり何だか味がよくわからないうちに食べ終わっていたりします。
ケーキ屋さんで美味しいマドレーヌを探すのは本当に大変ですね
フィナンシェは卵白のみなので周りがカリカリ中はしっとりとした食感になります。
焦がしバターとアーモンドプードルが入っているのでマドレーヌより香ばしい風味です。
悪いものだとカリカリを通り越してガチガチになっていたり焦げてるんじゃないかってくらい黒いものも販売してますね
しかし現状は
ここまででだいぶ違いがあるのが分かると思うのですがそれでも混合されてしまうのは
大手チェーン店やスーパーなどの多くの人が食べられるところやケーキ屋さんでも材料がほとんど同じで形だけが違うものが販売されていたり
材料は違うけどなんか味は大差ないようなものが販売されていたりして
これじゃあ混合されても仕方ないよなって感じです
日本のマドレーヌ
マドレーヌといったら菊型のマドレーヌを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
菊型のマドレーヌは日本生まれです。
昔パンドジェーヌというお菓子(アーモンド生地の焼き菓子です)が日本に伝わった際、マドレーヌと混合されてしまいパンドジェーヌの型がマドレーヌの型として使われたそうです。
まとめ
マドレーヌとフィナンシェの違いは
由来
形
材料
味
食感
です。
これを機にケーキ屋さんにいったらマドレーヌとフィナンシェをセットで買って自分のお気に入りを探すのも楽しいですよ!
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