生クリームが泡立たない、クリームについて、後半

お菓子の基礎知識




画像のような生クリームたっぷりのパンケーキって食べたことないんですよね。いつか食べたいですね。

クリームについて、後半です。主に生クリームに関してよくある疑問を紹介します。

生クリームが泡立たない

生クリームをホイッパーで撹拌しても一向に泡立たないということがあります。

もちろんそこにはちゃんとした理由があるのですが、あまり知られていないことも多いので紹介します。

生クリームって案外繊細なものででたらめに管理するとダメになってしまいます。

まず温度管理に気を付けてください。必ず冷蔵で保存すること泡立てる際に室温は低くすることが大切です。

よくボウルを氷水に付けて泡立てるとあるのですが、何故これが大事なのかというと、生クリームは温度変化に弱く泡立て初めの温度が5度で常に10度を保たないときめ細かくなめらかなクリームにならないからです。

温度が15度を超えると気泡が大きくザラザラと粗い状態になって舌触りが悪くなります。

また保存しているときに15度を超えて泡立てるときに冷却しても良い状態に泡立たないです。

なので加熱したクリームを泡立てることも出来ないので注意してください。また冷凍保存されたクリームも泡立ちません。

他にはクリームの中に水が入ってしまうと泡立たなくなってしまいます。ボウルやホイッパーに水滴がついてないか確認してから泡立ててください。

それと前半でも紹介したのですが、生クリームは乳脂肪分が35%以上ないと泡立ちません。何%のものを使っているか確認してみましょう。

泡立たないクリームの対処法

もし泡立たなくなってしまった場合は以下の二つの対処法があります。

レモン汁などの酸を数滴入れる

生クリームは酸に弱く酸を入れると分離してしまうのですがこの特徴を利用して泡立てることが可能です。しかし舌触りは余り良くないです。

ジャムを入れる

色や味が少しついてしまうのですがジャムを入れると泡立ちます。ジャムの中にあるペクチンというゲル化剤のおかげで生クリームが固まり空気を含むことが出来るようになります。

分離したクリームを元に戻す方法

泡立て過ぎてぼそぼそになってしまったクリーム捨ててしまうのは勿体ないですよね。

ぼそぼそ具合がまだそんなに進行していなければ元に戻す方法があります。

元に戻すには牛乳を加えていきます。クリームの硬さを見つつ少量ずつへらやスプーンで混ぜながら加えていきましょう。

そうしていけば元の滑らかな状態に戻すことができます。

他にはヨーグルトを牛乳と同様に様子を見つつ加える方法があります。ただヨーグルトの味がついてしまうという欠点があります。

後は泡立てた生クリームよりも脂肪分が低い生クリームを加えていっても戻すことができます。

しかし、いずれにしてもくちどけは普通に泡立てたものより劣ってしまうのでなるべく分離させないようにしたいですね。

またかなりぼそぼその固まりが出来てしまった場合は戻すことが出来ないので、加熱して戻して泡立てないレシピに使うか、そのまま泡立ててバターにするという使い道になります。

生クリームに他の味を加える方法

クリームをチョコレートの味にする方法やフルーツの味にする方法は結構簡単に出来ます。

チョコレートの味にするには

①まず生クリーム(45%以上がオススメです。)40gにチョコレート(スイート)60gでガナッシュを作ります。

②別のボウルに生クリーム(45%)200gにグラニュー糖14gを入れてトロトロになるまで泡立てます。

③①に②を2回ぐらいに分けて入れていき泡立てればできます。分離しやすいので気を付けてください。

6gクレームドカカオ(チョコレート・リキュール)も入れるともっと美味しくなります。

チョコレートのクリームを作る際生クリームを全部加熱してそこにチョコレートを入れて溶かしたものは泡立たなくなってしまうので必ず②のように分けてください。

フルーツ系だったら

①生クリーム(35%くらい)300gにグラニュー糖30g入れて泡立てます。

②①にフルーツのピューレを120g入れて泡立てます。こちらも分離しやすいです。

こんな感じで基本はどれも泡立てた生クリームにチョコレートやフルーツのピューレを加えていく感じです。

チーズクリームが作りたい場合は泡立てたクリームに柔らかくしたクリームチーズを加えていったり。

一旦やり方を覚えてしまえば色々と応用できます。

おまけ 生クリームは味の違いがかなり分かりやすい

ケーキの食べ比べをしていくとどれが美味しいとか美味しくないとか色んなものを食べていくほど舌が肥えていき分かるようになるのですが

初めのうちはどれも美味しく感じたりすると思います。ポイントは色々あったりするのですが一番差が分かりやすいのがクリームが美味しいか美味しくないかだと思うんですよね。

甘みが強いとかそういうのではなく、コクがあるか嫌な脂の味がしないかとかくちどけが良いかなどの質の問題です。

クリームの良し悪しはそんなにケーキを食べない人でも分かるものなので舌を鍛えたいと思っている人はまずここを意識していくとだいぶ違うと思います。

本当は何も考えずに美味しく味わえるのがいいんですけどね、食に関わる仕事をしていくと一々食べてるものの味を考えながら食べないといけないから苦行でしたね。

まとめ

生クリームはとにかく温度管理が大事です。

面倒かもしれないですが、生クリームを買った帰りの道中も温度に気を付けないとダメになってしまうこともあります。特に夏は怖いですね。

しかし、対処法を知っていればいざというときに役立つと思うので頭の片隅にでも入れておいてください。

生クリームの味付けは本当に色々あるし私が紹介した以外にも方法があるので好みの味ややりやすい方法を見つけてみてください。

通常のクリームでもバニラエッセンスを数滴加えるだけでも美味しくなります。フランスだとバニラビーンズを入れる贅沢なものが結構あります。

個人的に紅茶のクリームが好きです、紅茶の味のお菓子が好きなのもあるのですが。

香りづけのためにお酒を加えていくのも面白いですよ、どのクリームにどのお酒が合うのかやってみたいです。

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