ここ何年かケーキ屋さんではフランスの古典菓子ブームがきています。
フランスのお菓子と言ったら華やかなものを想像しがちですがフランスの古典菓子は素朴でシンプルなものが多いです。
そんな古典菓子が売られていると物珍しさでついつい買ってしまいます。フランス菓子の図鑑にのっているお菓子とかはどんな味なんだろうと気になってしまいますね。
ケーキ屋さんで見られるフランスの古典菓子、これ売ってたらテンション上がるなっていうものを紹介します。
サンマルク
これ好きなんですけどあまり見かけなくなってしまいました。
アーモンド風味のスポンジでチョコレートムースとヴァニラムースを挟み表面をパリパリのカラメル状にしたケーキです。このヴァニラムースが濃厚で美味しいんですよね。
サンマルクという名前はフランス語で「聖人マルク」という人名です。
なんでこの名前なのかは不明です。
サヴァラン
ババ・オ・ラムという発酵生地(パンみたいな感じ)にラム酒風味のシロップをしみこませたお菓子があるのですが、それの派生として誕生しました。
サヴァランは発酵生地をリング状に焼き上げ、ラム酒風味のシロップ付けにしてカスタードと生クリームを絞ります。
サヴァランという名前は美食家「ブリア・サヴァラン」から名付けられました。
サヴァランは美食家でありながら哲学者でもあり、音楽家でもあり、法律家でもあります。美食関連の本を何冊かだしていて世界のガストロミー界に大きな影響を与えたとされています。
有名な言葉で「君の食べているものを言ってごらん。君がどういう人物かあててあげよう」というものがあります。カッコいい
ムラングシャンティ
これ大好きです。ムラングシャンティは乾燥メレンゲと生クリームだけのシンプルなお菓子です。見た目が純白でかわいいんですよね。
お店によってはメレンゲに味を加えたりフルーツを乗せたりクリームを変えたりと結構バリエーションが豊富です。
ムラングはフランス語で「メレンゲ」シャンティは砂糖を加えた生クリームを泡立てたものをクレーム・オ・シャンティというのですが、そこからとっています。名前もシンプルでそのままですね
前は珍しかったのですがここ数年で販売しているお店が増えてきました。
でもシンプルが故に難しいところがあって、まずメレンゲが美味しくないと全てが台無しになります。しけってたり、バラバラに崩れてしまったり、生クリームとのバランスも重要になってきます。
あと個人的にムラングシャンティ綺麗に食べれないんですよね。どうしたら綺麗に食べることができるのか考えているのですが未だに答えが見つからず。
何か良い案があったら是非教えてください。
フラン
日本ではあまり有名ではないのですがフランスの国民的なお菓子です。
パイ生地に卵、砂糖、牛乳、小麦粉などで作るフラン生地を詰めて焼きます。イメージはちょっと緩いプリンの生地みたいな感じです。
フランという語源は古いフランス語の「フランド」からきています。フランドの意味は、平たい円盤状の金属を指していたそうです。それと刻印するための円盤状の鋳型を意味していた説もあります。
ピュイダムール
折込パイ生地の器にカスタードクリームを入れて表面に砂糖をまぶしてかりかりのカラメル状にしたお菓子です。
ピュイダムールの名前の由来はオペラ・コミック座で上演された同名の演目にちなんでつけられたそうです。意味は「愛の井戸」です。
ピュイダムールには元になったお菓子があって、最初はヴォ・ロ・ヴァンという折込パイ生地の器にスグリのジャムを詰めたものでした。
その後パリの3大パティシエ、ストレール、コクラン、ブルダルーが協力して今の形に完成させたといいます。
現在でもピュイダムールはストレールのスペシャリテとなっています。
ガトー・バスク
しっとりしたクッキーのような生地にカスタードやサクランボのジャムを入れて焼き上げたお菓子です。シンプルながら深い味わいがあります。
ガトーバスクはフランスのバスク地方で17世紀に生まれたお菓子です。フランスのバスク地方であってスペインのバスク地方では作られていないです。バスク地方はフランスとスペインをまたがっている地方なんです。
スペインのバスク地方だと最近流行っているバスクチーズケーキが有名ですね。
ガトー・バスクは初めはバターの代わりにラードを使用し、小麦粉の代わりにトウモロコシの粉、砂糖の代わりにハチミツを使って生地を作っていました。
そして、生地にその土地でとれるイチジクやプラム、サクランボのジャムを挟んで焼いていました。
そのうちバスクで生産されるフルーツが淘汰されてサクランボだけ残り、それからはサクランボのジャムを使われるようになりました。
その後卵や乳製品が手に入るようになり生地は卵やバターを使ったしっとりしたものになり、カスタードクリームを挟んだガトー・バスクが作られるようになって今はこっちが主流になっています。
でもサクランボジャム入りのものも人気が高いです。中にはバスク地方産のサクランボを使っていないものはガトー・バスクではないという過激派もいます。
クラフティー
フランと同じ生地にサクランボを入れて焼くお菓子です。器はタルト生地だったりパイ生地だったり陶器の器にそのまま入れて焼かれます。
食感はゆるく少しもっちりしていてサクランボの酸味とフラン生地の優しい甘さがちょうどよく、軽く食べられるお菓子です。
ケーキ屋さんで売っているお菓子というよりはフランスの家庭で作られるお母さんの味というお菓子です。
クラフティーの語源は古いフランス語で「Claufir」釘にくっつくという意味の言葉から派生したものと言われています。
ここでいう釘とはサクランボの種のことで本来のクラフティーはサクランボの種も一緒に焼き上げて、種から出る苦みも楽しむお菓子だったそうです。
クラフティーは中のサクランボが別のフルーツに変わると名前も変わって「フロニャルド」と呼ばれ別物扱いになります。
まとめ
どうでしょうか、主に私の好きな古典菓子を紹介しました。フランスの古典菓子というとまだまだいっぱいあってそれぞれ生まれた地方色が強くでています。
シンプルが故にごまかしがきかないので難しいところでもあるのですが、東京だとこだわっているフランス菓子屋さんで販売されているものが多いです。
でも一度は本場フランスのお菓子が食べたいですね。食べたことがあるものもあるのですが、全部は食べきれてないので本場物を食べたいです。
すいません、今回紹介したお菓子の写真が無かったので写真を撮り次第のせて更新していきます。
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